疾患情報
神経筋疾患(NMD)とは?
- 筋肉や末梢神経、脊髄の運動神経が原因の病気を総称して、神経筋疾患(NMD)と呼びます。
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筋力が弱い(歩くのが難しい、転倒しやすい、腕の力が弱い)、呼吸機能や心臓機能に問題といった症状が主です。
- このサイトでは、神経筋疾患の医療を知っていただくために作成しました。
- 記載されている内容はすべての患者さんにあてはまるわけではありません。あくまでも参考情報として活用いただき、実際に治療やケアを受ける際には医師や医療者の指導のもと行ってください。
NMDの分類
NMDには様々な疾患が存在します。
- 筋疾患筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、炎症性筋疾患など
- 末梢神経疾患遺伝性ニューロパチー(Charcot-Marie-Tooth病)、CDIP、ギランバレー症候群など
- 神経筋接合部疾患重症筋無力症、先天性筋無力症など
- 脊髄性筋萎縮症
NMDの原因
- 遺伝子の変化による場合(遺伝子変異)
- 免疫の異常(自己免疫)による場合
- その他
NMDの経過
- 疾患によって様々ですが、NMDの多くはゆっくりと症状が進行する場合が多いです。
- 確定診断によって疾患の経過や合併症を予測することができるようになります。
NMDで共通した症状
- 筋力低下
- 呼吸障害
- 心筋障害、不整脈
- 摂食嚥下障害
- 脊柱側弯症
- 関節拘縮
NMDのケア・治療
様々な面から包括的なケアを受けていくことが重要な疾患です。デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)では国際的なガイドラインがあり下記の項目に沿って様々な面から包括的なケアを診断時から受けていくことが推奨されています。
- 診断時のケア
- 筋症状に対する薬物治療
- リハビリテーション
- 整形外科的ケア
- 呼吸に関するケア
- 心臓に対するケア
- 胃腸に関するケア
- 心理社会的なケア
- 手術を受ける際に考慮すべき点
- 小児から成人への移行(移行期医療)
DMD以外の疾患には必ずしもこのようなガイドラインがあるわけではありませんが、DMDの情報をうまく参考に進めていくのもよい方法と思います。
NMDのリハビリテーション
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神経麻痺による筋力低下、筋自体の障害による筋力低下、そして活動量が低下することによって起こる廃用性の筋力低下があります。
- 筋疾患では大きな筋、末梢神経疾患では遠位筋の筋力が低下するため、動作の障害は疾患によって特徴的です。
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体に過度の負担をかけずに、残った機能を上手に使うために、早い時期から自分の体の状態を知り、正しく体を使って運動機能を維持することが大切です。
患者登録(レジストリ)
NMDのなかでいくつかの疾患を対象として患者登録(レジストリ)が構築されています。NMDの遺伝子治療は希少疾病(患者数が少ない)が大半で、患者さんの情報(経過や合併症など)や治療薬の開発を行ううえでレジストリを使っていくことが有用です。