BMD ベッカー型筋ジストロフィー
BMD ベッカー型筋ジストロフィー
- デュシェンヌ型筋ジストロフィーと同じくジストロフィン遺伝子の変化(変異)が原因です。
- DMDよりも発症時期は遅く、早いと中学生、遅いと壮年期以降に発症します。
- 根本的な治療法はありませんが、臨床開発(くすりを作るための研究開発)が進み始めています。あきらめることなく現在提供できる最善の医療を受けていを受けていくことが重要です。
BMDの原因
- X染色体に存在するジストロフィン遺伝子の変化(変異)が原因で、X連鎖潜性遺伝の形式をとります。
- ジストロフィン遺伝子はジストロフィン蛋白を作るために必要な設計図です。
- ジストロフィンは筋細胞膜の直下に存在し筋細胞膜を裏打ちしており細胞膜の安定化に貢献していると考えられています。DMDとBMDは同じ原因ですが、BMDの方が発症時期や進行は遅いです。
- ジストロフィン蛋白が不足することで筋細胞膜が不安定になり壊れやすくなると考えられていますが、完全に欠損しているわけではないのでDMDよりは壊れにくいです。
- DMDとBMDの症状の違いは、遺伝子変異のパターンによって多くは説明可能です。
BMDの経過
- 発症は小児期から成人期まで様々です。
早ければ10歳台で走るのが遅い、階段昇降が難しいなどの筋力低下による症状がでてくる場合があります。
- 日本では別な目的で採血を行った際に高CK(クレアチンキナーゼ)血症がみつかったことから症状のない時期に診断を受ける場合も多いです。
- 進行する場合にはゆっくりですので、症状が出現しにくいので定期的な検査を行っていく必要があります。
呼吸筋や心筋にも障害がいずれ及んできますが、問題が出てくる時期は中学生から老年期まで幅広いです。
BMDの主な症状
- 筋力低下
- 関節拘縮
- 呼吸障害
- 心筋障害、不整脈
- 摂食嚥下障害
- 知的障害、自閉スペクトラム症
BMDのケア・治療
- 根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心です。
- 薬物治療として、ステロイドを用いる場合もあります。
心筋症が生じる場合がありますが、出現時期は患者さんによって異なります。少なくとも10歳頃以降は心臓超音波検査を中心とした検査を定期的に受けるようにしましょう。
- 心機能が低下してきた時期から心保護治療のため内服治療を開始します。
- 運動が誘因となる筋肉痛を生じる場合があり、生活の支障となる場合があります。経験的にダントリウムという薬剤(筋弛緩薬の一つ)が有効な場合があります。
- 冬になると筋肉量や運動量が少ないことから末梢循環障害が問題となる場合も少なくありません。保温対策を講じるとともにビタミンEの内服が有効な場合があります。
BMDのリハビリテーション
- 本質的にDMDと同じ疾患であるため、知見が得られているDMDに対するリハビリテーションを参考にしてください
早期から関節可動域訓練を行います。
歩行可能期には腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の短縮による足関節背屈可動域制限(足首が硬くなり踵を床に着きにくくなる)が最も生じやすいです。
- 立位保持が困難になると座位時間の延長に伴い膝・股関節伸展制限が進行しやすいので起立台での立位トレーニングや徒手的なストレッチによる予防が重要です。
- ADL維持のため、補装具や生活支援器具の導入を早期から行います。
呼吸機能低下がある場合は呼吸リハビリテーションを併用します。
- 進行すれば人工呼吸器の適応になります。
車椅子
BMDでは、思春期を過ぎてから歩行困難になることが多いため、身体機能はもとより、居住環境、就学・就労などの社会参加を考慮して車椅子を導入します。作成するときの手続きは年齢によって違いがあり、18歳以降に申請する場合は、支給決定のために都道府県の身体障害者更生相談所へ判定に行く必要があります。
18歳以上の患者さんが補装具(車椅子、下肢装具、座位保持装置など)を作成するときの流れ
- 小児神経科または神経内科、およびリハビリテーション科の医師に相談
- リハビリスタッフとの相談
- 各市区町村窓口で作成の相談、指定の書式と必要書類の確認
- 更生相談所の判定を受ける。更生相談所の判定は直接判定または書類判定(ただし、電動車いすは必ず来所による直接判定)。 直接判定の予約は市区町村の担当者が行う。
- 身体障害者更生相談所の判定・支給決定
- 支給決定が患者と業者に連絡され、補装具支給決定通知書・補装具費支給券を市町村から受け取る
- 病院リハビリでの車椅子診察で仮合わせ
- 適合判定・完成・納品(納品時に補装具費支給券を業者に渡す)
患者登録(レジストリ)
Remudy(外部リンク)
https://remudy.ncnp.go.jp/患者会
日本筋ジストロフィー協会(BMD分科会)(外部リンク)
https://www.jmda.or.jp/研究班
- 精神・神経疾患研究開発費
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」 (外部リンク)
https://mdcst.jp/aboutus/