UCMD ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィー
UCMD ウールリッヒ型先天性筋ジストロフィーとは
- 先天性筋ジストロフィーとは乳児期にすでに発症している筋ジストロフィーの総称で、福山型、ウールリッヒ型などがあります。
- UCMDは日本では福山型についで多い先天性筋ジストロフィーです。
- コラーゲン6遺伝子に変化(変異)が原因です。
筋力低下以外に、側弯症、呼吸不全が問題になる場合が多いです。
- 根本的な治療法はありませんが、あきらめることなく現在提供できる最善の医療を受けていくことが重要です。
UCMDの原因
- コラーゲン6遺伝子の変化(変異)が原因です。コラーゲン6遺伝子はA1、A2、A3という3つの遺伝子が存在し、それぞれの遺伝子変異が原因になりえます。
- コラーゲン6遺伝子はコラーゲン6蛋白を作るために必要な設計図で、遺伝子変異によってコラーゲン6が完全に作れない場合(完全欠損)とできるが十分ではない(筋鞘膜下特異的欠損:SSCD)タイプに分けられます。
UCMDの経過
発育、運動発達の遅れ、筋力低下、手や足の関節の過進展(関節が非常に柔らかい)などが乳幼児期には認められます。歩行が獲得できる場合と獲得できない場合があります。
慢性呼吸不全の合併が多いのが特徴です。
人工呼吸器によるサポートが必要になってくる場合があり、定期的に呼吸機能を評価していく必要があります。
- 脊柱側弯もよく認める合併症で、小学校~中学生の時期に進行やすいです。
UCMDの主な症状
- 筋力低下
- 呼吸障害
- 脊柱側弯症
- 関節拘縮
UCMDのケア・治療
- 根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心です。
早い段階から関節拘縮予防、側弯予防などを目的にリハビリテーションを導入しましょう。
呼吸リハビリテーションの導入も有用です。
- 夜間のモニタリングデータなどを参考に、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の導入を検討します。
UCMDのリハビリテーション
関節可動域の維持のため早期から関節可動域訓練を行います。
側弯予防のための座位姿勢の指導を受けるとよいです。
呼吸筋の筋力低下や筋や胸郭が固くなることによって呼吸障害を合併する場合が多く、胸郭と横隔膜の動きが早期から低下している場合が多いため、肺、胸郭のコンプライアンス(しなやかさ)を維持するためのリハビリテーションを早期から導入します。
患者登録(レジストリ)
Remudy(先天性筋疾患として登録)(外部リンク)
https://remudy.ncnp.go.jp/患者会
日本筋ジストロフィー協会(外部リンク)
https://www.jmda.or.jp/研究班
- 精神・神経疾患研究開発費
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」 (外部リンク)
https://mdcst.jp/aboutus/