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SMA 脊髄性筋萎縮症

SMA 脊髄性筋萎縮症とは

  • SMAは脊髄前角細胞や脳神経核の変性、ならびに減少による進行性の筋力低下を示す疾患です。
  • 発症は出生前から成人期まで幅広く、発症時期や最大獲得運動機能といった臨床的特徴によりⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ型に分類されます。
  • MN蛋白の産生増加を誘導する治療薬のヌシネルセン(商品名:スピンラザ)、リスジプラム(商品名:エブリスデイ)、onasemnogene abeparvovec(商品名:ゾルゲンスマ)という3つの薬剤が登場し臨床使用が進んでいます。

新生児スクリーニング

新生児スクリーニング(Newborn screening; NBS)は治療法が確立していて、発症後に診断し治療するよりも新生児期に未発症の状態で診断し、早期に治療を開始することで予後を改善させることを目的とするものです。新規治療法の出現を踏まえSMAを対象としたNBSが多くの国で開始されています。日本では2024年1月現在、都道府県単位で行われていますが、2024年から国の事業としてSMAを対象としたNBSを行うという基本方針が示されています。NBSの普及によってSMAを有する患者さんの状態が大きく変わることが期待されます。

SMAの原因

  • SMAⅠ型とⅡ型の90%以上、Ⅲ型の60-70%がSMN1遺伝子の変異が原因で、常染色体潜性遺伝の形式をとります。
  • SMN1遺伝子に非常に類似したSMN2とよぶ遺伝子が存在していますが、SMN2遺伝子のコピー数が多いほど臨床症状が軽い傾向にあります。
  • SMN1遺伝子以外の原因遺伝子も徐々に判明しつつあり、DYNC1H1、BICD2など多くの遺伝子が原因として見いだされています。

SMAの経過

a. SMAⅠ型

  • 最重症型で、生後0~6ケ月の間、多くは3ヶ月未満、平均1ヶ月で発症します。
  • 著明な筋緊張低下、筋力低下で発症し、重力に逆らう運動は非常に乏しいのが特徴です。

  • 嚥下障害も認め、経管栄養が必要となります。
  • 肋間筋の筋力が弱く、横隔膜の動きは発症時には比較的保存されているため、吸気時に胸郭が陥没して腹部が膨隆し、呼気時にはその逆となる奇異呼吸を示します。
  • 呼吸器感染症、誤嚥性肺炎などを繰り返し、人工呼吸管理、薬物治療を行わない場合の生命予後は2歳未満です。

b. SMAⅡ型

  • 生後7-18か月、平均8ヶ月で発症します。
  • 坐位は獲得しますが、立位保持、歩行は獲得しません。
  • 脊柱側弯症をしばしば合併します。

  • 慢性呼吸不全をしばしば合併します。

  • 摂食嚥下障害も合併する場合があります。

c. SMAⅢ型

  • 生後18ケ月以降に転びやすい、歩けないなどの症状で気づかれます。
  • 2~3歳で歩行を獲得する場合が多いです。
  • 歩行できる期間は様々です。
  • 側弯症を合併する場合があります。

  • 慢性呼吸不全を合併する場合があります。

d. SMAⅣ型

  • SMAの中では稀な成人期に発症します。

SMAの主な症状

  • 筋力低下
  • 呼吸障害
  • 心筋障害、不整脈
  • 摂食嚥下障害

SMAのケア・治療

  • リハビリテーションを導入します。
  • 脊柱側弯症を合併する場合も多いので、定期評価を行い、必要に応じて脊柱側弯予防に配慮したリハビリテーションを導入します。脊柱側弯が重度になる恐れがある場合には脊柱固定術を検討します。

  • 摂食嚥下障害を合併する場合には栄養療法、経管栄養の導入を検討します。

  • 呼吸筋の筋力低下や筋や胸郭が固くなることによって呼吸障害を合併する場合があります。その場合には胸郭の動きが早期から低下している場合が多いため、肺、胸郭のコンプライアンス(しなやかさ)を維持するためのリハビリテーションを導入します。

  • 夜間のモニタリングデータなどを参考に、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)などの人工呼吸の導入を検討します。

SMAのリハビリテーション

病気のタイプ、重症度によってリハビリの目的は異なります。

Ⅰ型

支えなしで座ることが難しく、嚥下障害と呼吸不全を伴うため人工呼吸器が必要になります。姿勢と体位をサポートするために、日常的に胸椎または頚椎装具を使用します。

Ⅱ型

支えなしで座ることができますが、自力で立つことは難しいです。長時間の座位姿勢による関節の変形と拘縮を予防するために、早期から関節可動域運動とストレッチを行います。

Ⅲ型

20歳までに発症する軽症型です。ある時点までは立ったり歩いたりすることができますが、徐々に歩けない、転びやすいといった運動症状が現れます。
機能維持と改善のため、静的・動的バランス運動を取り入れます。
また、移動の自立性を獲得するために、適切な車椅子を導入することを考慮します。

Ⅳ型

成人期以降に発症し、軽度の筋力低下が現れます。バランスと持久力を改善するために良姿勢の保持とコントロールを行います。

参考情報

一般およびSMA患者さんご家族向けの情報サイト(外部リンク|中外製薬)
https://with-your-sma.jp/

医療関係者向けの情報サイト(外部リンク|中外製薬)
https://chugai-pharm.jp/sum/neuro/sma/

SMART EYES ~SMA(脊髄性筋萎縮症)とは~(外部リンク|ノバルティスファーマ株式会社)
https://smarteyes.baby/