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NM ネマリンミオパチー

NM ネマリンミオパチー

  • 先天性ミオパチー(CMP)の一つです。
  • 筋生検を行うと筋線維にネマリン小体という構造物を認めることが病名の由来です。
  • 発症年齢や重症度の違いにより乳児重症型、良性先天型、成人型に分けて考える場合が多いです。
  • 原因となる遺伝子は複数存在しますが、ACTA1とNebulinという遺伝子変異が原因である場合が多いです。
  • 根本的な治療法はありませんが、あきらめることなく現在提供できる最善の医療を受けていくことが重要です。

NMの原因

  • いままで分かっている遺伝子変異は筋線維の構造蛋白をコードする、α-Tropomyosin SLOW、Skeletal a-actin(ACTA1)、Nebulin、β-Tropomyosin(TPM2)、Troponin T、Cofilin)などです。
  • ACTA1、Nebulin遺伝子変異が多くを占めていて、アクチンACTA1の変異は主として重症型に、Nebulin遺伝子変異は常染色体劣性遺伝をとる良性先天型に多くみられています。

NMの経過

乳児重症型

  • 乳児重症型は新生児期からの呼吸不全、哺乳力低下を認め、人工呼吸管理、経管栄養を必要とします。
  • 顔面筋罹患を認め、細長く、表情のない顔をしていて、高口蓋を認めます。
  • 手足の動きはほとんどみられず、かつ全身の著明な筋緊張低下を認めます。
  • 生命の維持には気管切開を行ったうえで人工呼吸管理を行う必要がある場合が大半です。

良性先天型

  • 良性先天型では乳児期に発達の遅れで発見されることが多く、筋力、筋緊張低下を認めます。

  • 歩行開始は遅れる場合が多く、歩行開始後も走れない、階段の昇降に手すりがいるなど筋力低下は持続します。
  • 頸部の筋が弱いのが特徴です。
  • 嚥下障害を認める場合もあります。

  • 呼吸筋が弱く慢性呼吸不全を示す場合もあり、感冒などをきっかけに呼吸不全が急に進む場合があります。

NMの主な症状

  • 筋力低下
  • 脊柱側弯症
  • 摂食嚥下障害

NMのケア・治療

  • 根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心です。
  • 必要に応じてリハビリテーションを導入します。
  • 脊柱側弯症を合併する場合も多いので、定期j評価を行い、必要に応じて脊柱側弯予防に配慮したリハビリテーションを導入します。脊柱側弯が重度になる恐れがある場合には脊柱固定術を検討します。

NMのリハビリテーション

乳児重症型

  • 人工呼吸管理と栄養管理を継続する必要があります。
  • 常時臥床状態が続くため、褥瘡予防のポジショニングを行います。

良性先天型

  • 呼吸不全が潜在性に進行することがあるため、定期的な呼吸機能検査を要します。呼吸機能低下があった場合はNPPVの導入を検討します。

  • 定期的に側弯の発生・進行をチェックし、側弯予防のために座位姿勢の調整などを行います。

患者登録(レジストリ)

Remudy(外部リンク)
https://remudy.ncnp.go.jp/
(先天性筋疾患として登録)

患者会

日本筋ジストロフィー協会(外部リンク)
https://www.jmda.or.jp/

研究班

  • 精神・神経疾患研究開発費
  • 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「希少難治性筋疾患に関する調査研究班」