Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィー
Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィーとは
筋力低下は軽度である時期からすでに、肘、手、足関節に拘縮(こうしゅく:関節の動きの制限)を認めることが多いのが特徴です。
- 脊柱の動きに制限を認めることもあります。
- 心臓合併症、特に不整脈が生じやすいのがこの病気の特徴です。
- 根本的な治療法はありませんが、あきらめることなく現在提供できる最善の医療を受けていくことが重要です。
Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィーの原因
- 常染色体顕性遺伝とX連鎖潜性遺伝の形式をとるタイプが存在しますが、大半は前者です。
- 常染色体顕性遺伝形式をとるタイプはラミンA/C(LMNA)という核膜の蛋白をコードする遺伝子に変異を認めます。
- X連鎖劣性遺伝形式をとるタイプは、エメリンという核膜の蛋白をコードするエメリン遺伝子に変異を認めます。
Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィーの経過
筋力低下は軽い時期から肘関節、手関節、足関節などに関節拘縮(可動域が低下する)を認めるのが特徴です。
- 脊柱の可動域制限も認めることが多いです。
不整脈を伴う心筋症の合併が多く、不整脈によって突然死のリスクが生じてくる場合がある点に注意が必要です。
Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィーの主な症状
- 筋力低下
- 呼吸障害
- 心筋障害、不整脈
(特に不整脈に注意が必要です) - 脊柱側弯症
- 関節拘縮
Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィーのケア・治療
- 根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心です。
膝関節、足関節、肘関節などに早い段階から関節拘縮が生じる場合が多いので、リハビリテーションを導入しましょう。
- 足関節の拘縮が強くなった場合には、必要に応じてアキレス腱延長術などを行います。
- 心機能が低下してきた時期から心保護治療のため内服治療を開始します。
不整脈の有無を評価するため、心電図検査、ホルター心電図検査を定期的に行う必要があります。
呼吸筋の筋力低下や筋や胸郭が固くなることによって呼吸障害を合併する場合があります。その場合には胸郭と横隔膜の動きが早期から低下している場合が多いため、肺、胸郭のコンプライアンス(しなやかさ)を維持するためのリハビリテーションを導入します。
- 夜間のモニタリングデータなどを参考に、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の導入を検討します。
Emery-Dreifuss(エメリードレイフス)型筋ジストロフィーのリハビリテーション
早期から関節拘縮(関節が硬くなり可動域が減少する)をきたすため、関節可動域訓練を早期から行います。
患者会
日本筋ジストロフィー協会(外部リンク)
https://www.jmda.or.jp/研究班
- 精神・神経疾患研究開発費
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」 (外部リンク)
https://mdcst.jp/aboutus/