LGMD 肢帯型筋ジストロフィー - 神経筋疾患ポータルサイト

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LGMD 肢帯型筋ジストロフィー

LGMD 肢帯型筋ジストロフィーとは

  • 下肢帯(腰回り)の筋力低下が初期の主要な症状である筋ジストロフィーの総称です。 
  • 非常に多くの遺伝子の変化(変異)が原因です。
  • 根本的な治療法はありませんが、臨床開発(くすりを作るための研究開発)がLGMDのいくつかのタイプで進み始めています。あきらめることなく現在提供できる最善の医療を受けていくことが重要です。 

LGMDの原因

  • 常染色体顕性遺伝をとるものはLGMD1、常染色体潜性遺伝をとるものはLGMD2と分類し、さらにそれぞれ多くの原因遺伝子が報告されています。

LGMDの経過

  • 発症年齢は幼児期からから成人の50歳代以降までと幅があり、症状の進行にも個人差が大きいです。
  • 下肢帯の筋力低下による歩行異常、転びやすい、階段昇降困難などが最初にみられる症状の場合が多いです。
  • 心筋障害や呼吸障害を認める場合もあります。

LGMDの主な症状

  • 筋力低下
  • 呼吸障害

LGMDのケア・治療

  • 根本的な治療法は確立されておらず、対症療法が中心です。
  • 心機能が低下してきた時期から心保護治療のため内服治療を開始します。

  • 呼吸筋の筋力低下や筋や胸郭が固くなることによって呼吸障害を合併する場合があります。その場合には胸郭と横隔膜の動きが早期から低下している場合が多いため、肺、胸郭のコンプライアンス(しなやかさ)を維持するためのリハビリテーションを導入します。
  • 夜間のモニタリングデータなどを参考に、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の導入を検討します。

LGMDのリハビリテーション

  • 筋の短縮は、運動量の低下、骨の成長と筋同士のバランスなどによって生じます。
  • 腓腹筋(ふくらはぎ)が強いと踵が浮いた尖足になり、前腕の筋が短縮すると手の指が曲がったまま拘縮してしまいます。そのため、早い時期からストレッチ運動をして、体に過度の負担をかけないように福祉機器を導入することが必要です。

  • 運動機能の特徴として、四つ這い、ずり這いなどの移動能力が維持されることが多いものの、自力での歩行が難しくなったら車椅子を使います。操作能力の高い患者さんが多く、どんな機種の車椅子も問題なく操作できるようです。

患者会

日本筋ジストロフィー協会(外部リンク)
https://www.jmda.or.jp/

研究班

  • 精神・神経疾患研究開発費
  • 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」(外部リンク)
    https://mdcst.jp/aboutus/